【随時更新】ビジネスシーンにおける上手な断り方
相手の誘いや依頼を断るとき、大切なことは恨みを買われることなく、お互いの気分が悪くならないようにすることです。
そこで今回は、ビジネスでの上手な断り方についてご紹介します。
1.キャパを超える仕事を上司に頼まれた場合の断り方
キャパを超える仕事を上司に頼まれた場合は、「すでに、別の人から頼みごとをされている」ことをアピールしましょう。
このとき、「自分は物事の順序をきちんと守り、誠実にこなしている」ことを理解させることです。
頼んできた順序をきちんと守ることは、相手によい印象を与え、「引き受けたことはきちんとやる人」と受け止めてくれます。
この点を踏まえ、断るときは、
「申し訳ありません。部長からお仕事、ぜひ、やりたいのですが、先に頼まれた山田さんに迷惑をかけられないので 」
と返事をしましょう。
そのように断れば、相手は納得しますし、感情を悪くしません。
「頼みは引き受けたいけど、先に頼んだ人を飛ばして迷惑をかけることはできない」と、やる気と自分の誠実さをアピールするのです。
2.上司から飲みに誘われた場合の断り方
上司の酒癖が悪い、あるいは説教ばかりする。そういう上司とは誰だって飲みたくはないでしょう。
このときに断る場合、相手が誘うのに躊躇(ちゅうちょ)するように仕向ければいいのです。「飲むなら徹底して飲むぞ」という構えをアピールするのです。
「 えっ? 本当ですか? せっかくのお誘いですから、喜んで朝までとことんお付き合いさせていただきいます 」
と返事をしましょう。
もし、それでも相手が誘ってくるのであれば、「明日、早く起きなくてはいけないので」「仕事が終わっていなくて」「別の飲みに誘われていまして」「酒に弱くて、体調を壊してしまうので」という断り方が無難です。
3.上司に休日出勤を命じられた場合の断り方
休日返上などを高らかに叫んで出勤を命じるタイプの人は、会社にゴマをする人が多いものです。そのため、会社に損害を与えることを恐れます。
この場合、出勤することを断るのではなく、出ることで会社にデメリットが生じると思わせればいいのです。
つまり、
「 今週の日曜日ですか? 必要ならば出勤をしますが、私も早急に片付けなければいけない用事がありますので、来週、有給休暇をいいただく形になりますが 」
と、「有給休暇を使ってもいいならOKですよ」という条件を上手に持ち出することがポイントです。
法律上、有給休暇は労働者にとって当然の権利ですが残念ながらそういう理屈は通じないことが多いのもこのタイプの上司です。
そのため、自分の命令で部下に有給休暇が発生するのは嫌がるはずです。
4.業者にリベートを誘われた場合の断り方
ある程度大きな企業の場合には、何かと業者の出入りがあるものです。
こういうとき、担当者にリベートを使うことを考える業者もいます。もちろん、受け取った後、会社にバレてしまうとクビにもなりかねませんので、絶対に断りましょう。
しかし、「そういう話は困る」「犯罪行為になる」など正直に言うと、相手が悪いにもかかわらず、「あの人は融通がきかない」「話が通じない」など悪評を振りまかれてしまうことも考えられます。
このとき、話しそのもの否定するのではなく、「自分1人では決められない、上司に話してみる」と、ちょっと天然を演じることがポイントです。
「その機材を納品すれば、お金を個人的にいただけるのですね。独断ではちょっと無理なので、上司と相談をしてみます 」
「リベートなんて他人に話すものではないのに、それを上司に話すとは・・・」と、ちょっと変わった人だと思わせるのです。
こうすることで、断ると同時に、相手の口封じにもなりますから悪評が立つ心配もありません。
仮にも相手が腹を立てて悪評を立てようとしても、変わっている性格を悪く言うのは難しいものです。もし、誰かが「どこが変わっているの?」と聞いた場合、まさかリベートのことを話すわけにもいきません。
5.世話になった人に、情報を求められた場合の断り方
会社などの情報を、昔世話になった人から「何とかならないだろうか」と頼まれると、誰でも悩むことでしょう。
だからといって昔世話になったことを考えると、簡単に「ムリです」とは言いづらいものです。
そこで、「現在の立場では情報を渡すことができないけど、昇進すればその情報にアクセスすることができる」という方法をアピールしましょう。
「 すみません。いまの私ではその顧客情報にアクセスできません。来月、昇進予定なので、その時になったらお教えできると思います 」
と返事をします。
あるいは、「部署が移動になるので、その時に」と言ってもいいでしょう。
実際、そのときになったら「昇進できませんでした」「思った部署にいけませんでした」など、自分のせいではなく、会社側の都合を伝えればいいのです。
6.不始末の責任を負わされそうになった場合の断り方
何らかの仕事やプロジェクトが失敗に終わり、上司や先輩に責任を押しつけられることがあります。
しかし、そういう上司や先輩に限って断ると「いざとなれば逃げるのか」「君にだって責任の一端はある」と、逆ギレしてくるものです。
そこで、
「分かりました。結果については私が責任を負います。ただ、なぜ失敗したかの原因にいついては、みなさんを悪くは言いたくないので、責任を負えませんよ 」
と返事をしましょう。
つまり、「結果責任という誰もが負うべきことは受けるが、原因や全体については負いません」ということになるのです。これで、事実上は断っていることになります。
また、肯定から始まっているので、全否定ではないように感じるのです。
「私に責任を負わすってことは、キッチリと報告するってことですよ」という脅しも交えているので、少しでも頭が働く相手なら、「こいつに押しつけるのは、やばい」と判断することでしょう。
7.適量を超えそうな酒をすすめられた場合の断り方
やたらと酒を飲ませたがる先輩や上司というのは、本当に困った相手です。
こういう相手と絶対に避けたいのが1対1のシチュエーションです。逃げ場がなくなるので、気をつけましょう。
酒をすすめる人は、自分が飲みたい場合が多いのです。ただ、自分ばかりグイグイやっているのが気になるので、相手にすすめてくるわけです。
そこで、
「先輩に注いでもらうなんてとんでもない。まずは、僕に注がせてください 」
と返事をしましょう。
こちらから注げば相手は喜ぶでしょうし、こちらに注ぐ回数が減っていくことは間違いないでしょう。
相手の誘いを断るときに大切なことは、「本当は断りたくないんだけど、ことわざるを得ない。自分としてもつらいのだ」という気持ちをうまく伝えることです。
中途半端な受け入れは、かえって相手に迷惑をかけますので、「できる」「できない」をはっきりと伝えましょう。